「日々の暮らしをもっと上品に、もっとおしゃれに」クロワッサン倶楽部 | マガジンハウス

地曳いく子さんに聞く、着まわし術少ない服を着倒すことが、
おしゃれへの近道です。

近著『服を買うなら、捨てなさい』 が好評なスタイリストの地曳いく子さんに、少ない服で上手に着回すコツを聞くと、返ってきたのは意外な言葉。

「〝着回す〞と考えるより〝着倒す〟と思って洋服を絞ればいいんです」

〝着倒す〟とは 具体的にはどんな着方をすればいいのでしょうか。

「私の場合、出番の多い服の数は本当 に限られていて、クローゼットは〝オールスタメン〟と呼ぶ服だけにしてい ます。さらに言えば、1週間のうちに 2回でも3回でもその中の服を着ます。 迷ったら昨日と同じワンピース、なんてこともしょっちゅう。バリエーションを出すためにイマイチのものを着て、おしゃれの打率を下げる必要はないんですよ」

著書の中にも何度も出てくる〝バリエーションの呪い〟という言葉。ワンパターン=ダサい、という間違った意識を変えることが重要と話します。

ベーシックなシャツとトレンドをミックスして着回す。
ベーシックなシャツとトレンドをミックスして着回す。


「オードリー・ヘップバーン、カトリーヌ・ドヌーブといったファッションアイコンと言われる人って、ひとつのイメージに集約されるはず。本当におゃれな人って、そんなにバリエーションはないと思いませんか?」

いろいろ着る必要がないと思えば、おしゃれの考え方も変わる。 「若いうちは〝ファッション修業時代〟 だから、あらゆるおしゃれに挑戦することはよいことだと思います。でも、私たちクロワッサン世代になったら、好きなスタイルだけでいいし、今の年齢に似合う服を究めればいいんです」

その際の服選びにはいくつかのポイントがあります。ひとつは定番アイテムへの考え方。

シンプルでベーシックなアイテムは流行に左右されることがなく、長いこと着られると思いがちですが、この考えに地曳さんは警鐘を鳴らします。

「たとえばボタンダウンシャツだって、3年前のものは衿の大きさやボタンの位置などがちょっと違うはず。同様にニットやデニムなどベーシックなものほどアップデートしないとだめなんです。ベーシックな服は乾物、トレンド 服はお刺身と一緒。服にも賞味期限があると考えて、期限内にいっぱい着たほうがいいんです」 とはいえ、賞味期限の見極め方はなかなか難しいものです……。

「〝今〞着たいかどうかで決めてください」 昨年まで愛用していたワンピースを、久しぶりに着てみると何となく違和感を覚えることがあります。

 
定番服こそ、新作でアップデートする。
今夏物をいち早く購入。ベーシックなシャツこそ診察を早めに押さえて着たおすのがおすすめ。「自分に合うサイズを選んでほしいです」
【ユニクロのタンガリーシャツ】
【ユニクロのタンガリーシャツ】
冬まで着られる汎用性抜群服。
今春購入。「以前はここぞというときしか着なかったけど、春夏は週2会で活躍中。タイツとブーツを合わせれば冬でもOKです」
【sakayori.のレーススカート】
【sakayori.のレーススカート】


 
こなれた感が出るまで、バッグも使い込む。
2年前に購入。「だいぶ使い込んでイイ感じに革がくたっとなりました。私の場合は黒い服が多いのでアクセントでグレーにしました」
【サンローランの”クラシックダッフル”バッグ】
【サンローランの”クラシックダッフル”バッグ】
合わせる服で履き分ける。
3年前に々シリーズのローカットと共に購入。パンツにはローカット、スカートにはこのハイカットを合わせて一年中活用している。
【アレクサンダー ワンのブーツ】
【アレクサンダー ワンのブーツ】


 

服の価格は使用回数で割り算して考える

ワンピースを基 軸に季 節ごとに重ね着で対応する。
ワンピースを基 軸に季 節ごとに重ね着で対応する。
「私たちは、体型や肌、髪の色だって少しずつ変わってきていますよね? 似合う服、着られる服だって変化します。鏡を見たときに違和感があるようだったら、それは期限切れということです」

だから、買い物時にも注意が必要と地曳さん。

「その服に着替えて帰りたい! と思えるくらいのものしか買わないようにする。〝たられば〞は絶対ダメ。〝痩せたら〝〟同窓会があれば〟……。これら は無駄な服を増やす最大原因です」

〝今〟似合う服をとことん着倒すこと をすすめる地曳さんに、自身の〝今〟 のオールスタメンアイテムを紹介してもらいました。

「ワンピース、レースのスカートは今春手に入れたものですが、本当に重宝しています。ヒールを合わせればちょっとしたパーティにもOKだし、スニーカーなら普段使いにぴったりです」

では、いいものを長く着倒すポイントは?


「レザーアイテムはきちんとお手入れすることが大切ですね。私が長年愛用しているエルメスのブーツは、底を張り替えるなどして大事に履いているから、結果10年持ってます。当時18万円しましたが、冬はほぼ定番のように履き倒しているので、使用回数で割り算すると元はとっているかと(笑)」

地曳さんいわく、〝一生もの〟とい う考えもおしゃれを遠ざけることの要因になるといいます。

「靴とかジュエリーって高価なものだと大事に箱にしまってしまうことが多いけれど、私は箱はすぐに捨ててしま います。がんがん使わないともったい ない。一生ものと考えるより、ずっと使うと思って、きちんとお手入れをするほうが重要です」

最後にスタイリングを考える際の色選びについて話してくれました。

「私は黒のアイテムが多いですが、クロワッサン世代におすすめなのは、ベージュやネイビー、グレー。いろいろなトーンの中から、自分の肌の色をきれいに見せるものを選べばいいと思います。ベージュでも黄みがかった肌の人と、ピンクがかった人ではずいぶん 印象は変わります。黒は顔の肌色を暗く見せますから、年を重ねると難しくなることも知っておいてほしいですね」

 
真夏以外は着る定番のアウター。
4年前に買ったメンズのライダース。冬は高機能のインナーと合わせて。季節の変わり目などはワンピースと合わせて着倒し中。
【ビューティフルピープルのライダースジャケット】
【ビューティフルピープルのライダースジャケット】
トレンド色の強い服は着倒す覚悟で購入を。
今春購入。「チノの服は少し高かったけれど大正解。何を着ようか迷ったときには着ています(笑)」。文字通り着倒しNo.1アイテムです。
【チノのワンピース】
【チノのワンピース】


 
履き倒す際は、ケアも忘れずに。
10年前から愛用。高価だったが、上質な革のため、デイリー使いしてもきちんと手入れをすれば履けるので重宝している。
【エルメスのブーツ】
【エルメスのブーツ】




 

撮影・森山祐子

◎地曳いく子さん/スタイリスト。数々のファッション 誌で活躍。著書に『 歳、おしゃれ元年。(』集英社)、『 歳ファッション黄金セオリー さようなら、おしゃれメ ランコリー(』WAVE出版)。

『クロワッサン』909号(2015年10月10日号)より

 

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